月の舟

東方の二人の神様~雷神・風神様をあれこれ想う~東方神起応援ちゅう

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悠久の果てに

  1. 2012/08/19(日) 16:21:00|
  2. 小話
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 一度だけ、たった一度だけ 皇太子となったユノが帰ってきたことがある。

急な病に倒れた大使の替わりに急遽の帰韓だった。

だから 僕と個人として会う時間なんてあるはずもなく

画面の中で手を振るユノはなんだか知らない人のようだった。


頬が冷たいと思った。

画面から目を離さず、頬を触ってみる。

濡れてる…涙はとどまることを知らず、次から次へと溢れ出し、

画面のユノはゆがんでしまってまともに見ることもできなかった。


そして、特別にSMの事務所に挨拶に来ると言うユノに

会えることになった。もちろん、公人としての訪問だから

ふたりっきりにはなれない。

会長以下、SMファミリーが迎える中、僕も皆と一緒に

正装して並んでいた。


ユノは。ユノは 変わらぬ笑顔で皆に微笑んでいた。

あんなにスキンシップが大好きだった彼が誰に手を

伸ばすこともなく、微笑み、そして僕の前を通り過ぎていった。

僕に何ができた?

腕を伸ばしユノを抱きしめればよかった?

そしたら、ユノも昔のように抱きしめてくれただろうか?

だけど、僕は一歩も動けなかったんだ、少しでも動いたら

きっと言っちゃいけない言葉が口をついて出てくる…

どのくらいの時間だったのか、頭の中は真っ白で

ただただ彼の姿だけを眼で追っていた。


ユノは、会長たちへの挨拶をすませると

昔の仲間とも少し距離をおいて短い会話をし、

そしてもう待たせていたリムジンに向かって歩き出していた。

ファミリーの皆が僕を心配そうに見てる。

(話さなくていいの?)

横にいたテミンが小声でささやく。

だけど、身体が動かない。

行ってしまうユノを見たくなくて俯く。

足音が近づいてくるユノが目の前を通り過ぎていく

その瞬間僕の手かぎゅっと握られた。はっとして顔をあげると

ユノと眼が合った。

(ユノ!!)

彼の瞳が揺れていた、『愛しているよ,チャンミナ』 と。

愛しい懐かしいユノの声がダイレクトに僕の頭に響き渡った。

ほんの一瞬だったはずだ、だけど僕もユノの手を強く握り返し

声にはならない言葉を返した。

僕も貴方を愛していると、今も そしてこれからも―


 

永遠にも似た一瞬。

ふたりだけが交わした想い。

 


そして、ユノは皇太子となっている自分の国に帰っていった。

たぶん、もう二度と逢えないだろう。

あの国に何かが起こらない限り。

ユノの出国は許されないからだ。

僕も会いに行くことは出来ない、入国出来ないから。

―そういう国なのだ。

だから そう、もしかしたらあの一瞬が

あの人と触れ合った最後になるだろう。


それでも 僕の中で今でも奥深く息づいているユノへの感情。

ユノがいなくなってから、

忘れようとしたのに、押し殺したつもりだったのに―

そうだね、ユノ、

この愛は僕の命なんだね、

僕の命が果てるまでユノへの愛も

深く深く心の奥でゆらめきつづける。

 

悠久の果てまでも僕は彼を想い続ける―

 

『愛しているよ』と。

 


 

                                                            (終)


 
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